イノチョ
10班





拍手小説。 新年編。2007.02

+++++++++++++++++++イノ←チョ ヴァレンタイン


「 あーあ、毎年馬鹿みたいに配ってたのになー。

  今年はあげる人減ったわー 」

いのは隣でころりと寝転がって、そうつぶやいた。

サスケくんはいない。先生も、いない。あ、墓前には置いてきたわ。
シカマルはどうせいらないだろうし。

そういのが早口で言ってたから、僕はシカマルがくれたチョコレートを開けるのをやめて、いのを見てた。
いのが「食べないの?」って言ったから、「うん」って返した。

「 …じゃあ、はい。これ 」

毎年の決まりだからって、いのがくれたチョコはいつもより少しだけ、大きなものだった。


「 チョウジには、大きめ。 」

「 うん、ありがと 」

「 …ねぇ、 」

「 うん? 」

「 …それ、いっこじゃやっぱり足りない? 」

いのは、少しだけ、少しだけ寂しそうにそういってから、
そりゃそうよねー、チョウジってばチョコ好きだし、体も大きいんだし。
と付け足して、立ち上がった。

いのは向こうを向いちゃったから、見えないけど
声は少し、寂しそうで
ふりむいて、笑った顔も、
いいよ。隠さないで。

強くなってくサクラが、
帰ってこないサスケが、
僕たちより先に中忍になったシカマルが、
殉職したアスマ先生が、

離れていったのが
ひどく実感されちゃってるんだね。

寂しさが、


「 僕、いののだけでいいや!今年はちょっと大きいし。 」

「 …そっか 」

「 うん 」

溢れてるんだね。


いのはじゃあ来年も少し大きめにするわね、っていって笑った。
さっきよりも、笑った。

いのはあげる人が減るのは寂しい、っていうけど、

ごめんね、僕はこう思う。
来年は、これがただひとつの、いののチョコになればいいのに。

トリュフチョコを口に入れた。
一般的な一口サイズより、少し大きい。僕のためのサイズ。

いののチョコは、毎年とっても甘くて
シカマルはいつも食えねー、って言ってたけど
僕は大好きだよ。

いののチョコは、すごく満たされる。

僕の中が、満たされる。

だから、これいっこで十分だから。

いのの気持ちが 満ちてる、チョコが

これひとつに、なればいいのに。







拍手小説。 新年編。2007.01

+++++++++++++++++++10班


「 いの 」

朝の冷たい風が、頬を、鼻を真っ赤に染め上げるけど
それも感じなくなるくらい立ち尽くしていた。

シカマルとチョージが近づいてくる足音が、じゃりじゃりと響く。私はそれでもなにも言わなくて。
急に風がやんだと思ったら、目の前にチョウジがいて、それで心配そうな顔をしてて

「 帰ろう。おじさん心配してたよ 」

「 うん… 」

いなくなる。段々いなくなるの、皆。

去年はにっかりと笑いながらお年玉だ、って焼肉おごってくれた。
その前は金ないから許せ、って花屋の手伝いしてもらったわ。
いつもシカマルに将棋勝てなくて、いつも煙たい匂いをさせてて。

「 風邪、ひいちゃうよ? 」

「 …うん 」

チョウジは優しいから。強い忍になるね。

「 …将棋でも打つか 」

「 いつもはいのは弱いからいやだっていうくせに 」

シカマルは賢いから。いい忍になるね。

「 …いの 」

「 いの 」

でも2人とも不器用だから


「 う… 」


面倒見のいい私がついててあげなきゃ。


「 うあああああああん 」


まっててね。

きっといい報告するから。恋も忍術もサクラになんて負けないから。

大好きだよ、ずっと大好きだから

ありがとう。

アスマ先生。







拍手小説。 師走編。2006.12

+++++++++++++++++++イノチョ クリスマス


「 チョウジって、サンタさんみたいよね 」

「 え? 」

「 だって、デ…ぽっちゃりしてて、いつも優しくて
  笑顔で、赤いし、それに 」

「 ? 」

「 …それに 」


くれるの。いつも。

私が欲しい言葉を。私が欲しい行動を。
私が欲しい、すべてを。


「 あ、でもやっぱりちょっと違う。 」

「 ??? 」


わたしがいい子でも悪い子でも、夏でも春でも秋でも、一年中。

いつでも私が欲しいときに、いつも。


 私、だけ、にくれるから 


悪い子でも私に頂戴。
いい子でも、私以外にはあげないで。

私だけのサンタクロース。

それで、


「 恋人はサンタクロースってよく言ったものね 」

「 ? いの? 」


恋人なんかじゃないけど、

まだ幼馴染の延長線上だけど


「 今年は10班じゃないけど楽しみましょー!シカマルだって今頃楽しんでるのよー!! 」

「 …いの、シカマルは今任務中だよ; 」

「 いーの!だってテマリさんと一緒の任務なんでしょー!?絶対楽しんでるんだからッ 」

彼の想いも友人の想いも、…チョウジ、アンタの気持ちも

「 メリークリスマス、いの。 」

知って、る

から

「 …メリー…クリスマス。 」

今年はちょっとだけ、ちょっとだけだけど

いつもと違うクリスマス。

臆病な私に、もう少し時間を頂戴。

来年はきっともっと違うクリスマスに

きっと、なる、から。

だから、ただ、今年は

あなたと 2人きり。







拍手小説。 ハロウィン編。2006.10

+++++++++++++++++++イノチョ ハロウィン

「 チョージ!! 」

「 なあに、いの 」

「 トリック オア トリート!!! 」

「 え?何それ 」

「 ハロウィンよ!ハロウィン! 」

「 えええ、いのお菓子食べるの? いつもダイエット中だから、って食べないのに 」

「 そう!それにチョウジからお菓子とるのよvv 」

「 ! ぼ、ボクのお菓子…? 」

「 くれないのー? 」

「 う… 」

「 じゃー仕方ないからいたずらするわー♪♪ 」

「 わわわ!い、いの/// 」

「 いーの!いたずらなんだから!さーこのままシカマルんとこ行くわよーー!! 」

「 ええ?!でも… 」

「 …いいの、いたずらなの。…今日だけなんだからいいじゃない 」

「 …うん。そうだね 」

つながれた手が
絡まれた指が
あまりにも強く握られるから

明日もこんなふうにしてるかも とか
離したくないのかな とか
ずっと、にぎっていて とか

思ってしまうのは
君、だから。


大好きな君に

お菓子よりも甘いひと時を。