【 王子様 】 キバヒナ



「 おい、ヒナタ。何してんだ? 」

「 わ、あ、き キバ君 」

赤丸と散歩中に何かを覗いているヒナタを見つけた。
いや、正しくは匂いを感じたから遠回りした。
何してんだ、なんて聞かなくてもわかってる。ナルトとサクラの匂いが曲がり角の先からするんだ。
それも知ってて来てんだから。

「 えと、あの… 」

もじもじと動いて隠したものを、俺は見なくても知ってる。明日から修行にでるナルトのために彼女が用意したおまもり。
渡せなくてずっと持ったままの、手作りのお守り。

「 っとに、ホラ 」

「 だ、だめっ 」

手を出してお守りをとろうとするとヒナタはいつにない声でその手を遠のける。
予想外の彼女の反応に俺は出した手をそのままにヒナタを睨むようにみた。

「 そ、の…自分で渡す、から 」

「 …よくいうぜ、渡せないからそうやってそこに30分も前からいるんだろーが 」

「 えっ? 」

しまった。思わず口にした30分、という時間にあわてて口をふさぐも、ヒナタはその意味をすばやく悟ってしまう。

「 キバ君 いつから… 」

「 うるせぇっ 大体、お前が… 」

思わず赤くなった顔で向きになって叫ぶキバの前にヒナタの手と、お守りが差し出される。

「 ? 」

「 あ、げる 」

「 何言ってんだ?ナルトのために作ったん… 」

「 違うの、これはキバ君の分。 」

ヒナタはそういって確かにナルト用にもっていたオレンジとは違うお守りを俺に押し付けて飛び去った。

「 …って結局ナルトにはわたさねえのかよ 」

そういいながらもキバの顔がほころんでいたのを赤丸は知っている。

「 わん! 」

「 俺らも帰るか 」

走り出したキバの手にはしっかりと赤いお守りが握り締められていた。



本当は知ってたから。
ナルト君とサクラちゃんが一緒にいるときに私が居ると
いつもそっと来てくれること。
だから、待ってたの。
自分で渡したかったから。

キバくん、知ってた?




私のキバヒナではキバはヒナタの若干ストーカー的王子様感覚。ヒナタは鈍感子のようで実は知ってる気がする。

2006.8.14